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↑ 1976年5月 本拠地マクガイヤー空軍基地で撮影された141st TFSのF-105B/57-5792
141st TFS  New Jersey ANG
F-105B (1965~1981)
ニュージャージー州空軍と言えば、虎模様のKC-135R(141st ARS)が横田基地等に飛来することで、日本の航空マニアにも周知の存在であるが、本項では同飛行隊がF-105Bを使っていた時代の写真を展開したい。右の第141戦術戦闘機中隊インシグニアを見ると、虎がドイツ帝国(ヴェルヘルムⅡ世の帝政時代)のドイツ軍人の兜を押さえつけているデザインとなっており、恐らく第141航空隊が、第一次大戦でドイツ帝国との戦いに貢献したことを隊の誇りにして表しているものであろう。今の給油機の虎模様も、F-4E時代の機首の虎塗装の全てこのインシグニアに由来している。同飛行隊の歴史を紐解けば、1928年8月のフランス派遣から、スパッドⅢ戦闘機の配備を受けて、ドイツ帝国との熾烈な戦いを経験しているのである。この時彼らのインシグニアは、飛行帽をかぶった虎だったことから、後の新インシグニア(新部隊徽)に繋がっていく。F-105Bを使用していた時期も、一部の機体には機首付近にこの楕円形のインシグニアが貼付されている。 (2023年11月 記)
↑ 上の写真2枚は撮影日不明であるが、マーキングと塗装色褪せの具合から、恐らく1980~1981年に掛けて撮影されたものと推測される。機首の右側面コックピット下には、141st TFSを傘下に置いていた108th OGらしきインシグニアを付けている。
↑ 同隊のF-105B引退の年である1981年4月に撮影されたF-105B/57-5776と57-5782。機首左側のコックピット下に141st TFSの虎のインシグニアが入っている。尾翼のチップも白色からダークグリーンに塗り替えられており引退間際の様子が窺い知れる写真である。F-105B/57-5776の方は、1976年の建国200周年記念塗装をしていた機体で、尾翼を水色に塗り、ラダーを赤白で塗り分けていた。最近までマクガイヤー基地のゲートガードとして飾られていたそうであるが、現在はどうであろう。一方の57-5792の方もオハイオ州のゼーンズビル・ムーニンシパル空港に飾られているそうである。
↑ 1980年10月に撮影されたF-105B/57-5783。ニュージャージー州空軍には、本項でご紹介する141st TFSの他に、119th TFSも1970年~1973年までF-105Bを使用していたが、僅か3年余りでF-106A/Bに更新している。119th TFSは、マクガイヤーではなくアトランチックシティ州空軍基地をベースにしており、今でもF-16C/Dを使用する現役の戦闘機隊である。一方 写真の141st TFSの方は、この写真が撮影された翌年からF-4Dに更新され、今は上述の通りKC-135Rを使う給油機部隊となっている。
上の2枚は、同じくマクガイヤー空軍基地で1978年4月に撮影されたF-105B/57-5830と57-5795。同じ角度から撮影された2枚を比較すると、迷彩パターンの違いが面白い。迷彩の基準はあっても、手作業でのスプレーブラシ吹き付け作業の為、微妙な違いが出てくるので、ベトナム迷彩は指紋と同じで各機全く同じものはない。因みに写真上のF-105B/57-5830(C/S Fox 13)は、1980年2月5日同基地に着陸の途中クラッシュして失われているが、パイロットのモートン中佐は射出して無事であった。原因は油圧系統の故障で機体がロックされてしまった事による。